ABOBORISM

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ブルーベルベットを見直した

この間の「インランド・エンパイア」「マルホランド・ドライブ」に引き続き、久しぶりに「ブルー・ベルベット」を観た。約10年ぶりくらい。

久しぶりに見たけど、マルホランド〜やインランド〜に比べると、よっぽどまともな映画だと再認識。でもやっぱり色々とイカれてて、めちゃくちゃいい映画だった。ストーリー自体はリンチ作品の中では比較的シンプルだけど、その分、不気味さや生々しさは際立っている。映画の始まりのあの平和な田舎町の感じが、じわじわと異常な世界、狂気と暴力がにじみ出てくる感じが最高に気持ち悪くて面白い。

主人公のジェフリーの変化も、前に観たときより印象に残った。最初はただの好奇心だったはずなのに、次第に抜け出せなくなっていくし、彼がそれを楽しみ始めているようにも見える。

そしてドロシー。彼女の存在なしでこの映画の生々しさを演出することはできない。彼女の狂気と悲しみが混ざった演技は圧倒的で、映画の暗いドロドロした魅力が成り立っている。彼女が抱える痛みや無力感が、物語全体を通じてひしひしと伝わってくる。その痛々しさが映画の不安定さ、暴力、そして狂気を一層強調していると感じた。

あとイカれてるのがデニス・ホッパー演じるフランク。こいつがやっぱり本物のイカれ野郎だ。改めて観てやっぱりとんでもなくイカれてる笑。登場するだけで空気が一気に変わるし、何をしでかすかわからないヤバさがハンパじゃない。知り合いたくない笑

音楽もやっぱりいい。サントラは持ってないんだけどボビーヴィントンのBlue Velvetはレコードのブートで持ってて今でもたまに聴いてる。ドロシーバージョンも結構いい感じでこれサントラに入ってるのかな?

あともう一つ印象的なのがロイ・オービソンのIn Dreams。ジェフリーボコるシーンもそうだけどボコりに行く前のベンが歌ってるあのシーン。ベンの静かに口パクする表情も、フランクが異様に感情を高ぶらせる様子も、とにかく不穏で怖い。この映画で流れる音楽はすべて奇妙に聞こえてくる笑。

10年ぶりに観たら、やっぱりめちゃくちゃ好きな映画だった。見やすいし、テンポもいいし、狂ってるのに心地いい。やはりリンチが好きだ。